強気妻、不倫セックスで「雌」になる【激辛ナポリタン党】

表向きは幸福そのもの。

穏やかな夫・雄介との結婚生活に不満なんてない――

そう思い込もうとしていた美波。

けれど、心の奥でずっと塞き止めていた“言葉にできない欠落”が、

ある日ふと、小さな亀裂となって顔を出す。

そのきっかけになったのは、

何気なく開いたアプリの画面。

ほんの出来心で、軽い気持ちで。

それでも、美波はそこでひとりの大学生・雅也と出会ってしまう。

最初は“遊び”のつもりだった。

優越感と、好奇心。

自分が主導権を握っている――そんな錯覚すらあった。

けれど、たった一夜で崩れ落ちた境界線。

理性で固めたはずの壁は、思いのほか脆かった。

それから、美波は二つの現実を抱えることになる。

・優しい夫との安定した日常

・刺激と逃避を求めてしまう危うい日々

罪悪感はあった。

当然、胸を締めつける後悔もあった。

なのに、美波は後戻りできない。

自分でも気づかなかった“弱さ”と“欲望”が、

静かに彼女の判断を奪っていく。

そしてついに、美波は踏み越えてしまう。

夫のいない、自宅。

もっとも踏み入れてはいけない領域。

背徳感が高まれば高まるほど、判断は鈍り、感情は暴走しーー

その瞬間だった。

──開くはずのない玄関の扉が、音を立てる。

空気が凍りつく。

美波の世界は静寂の中で瓦解していく。

“幸せな妻の生活”

“秘密の逃避行”

その両面が、同じ場所に存在してはいけなかった。

ここから先、美波の決断はたったひとつ。

失ったもの、気づいてしまった自分の本質、

そして、愛と欲のどちらを選ぶのか。

本作は、

軽率な一歩から崩れ落ちる人間心理を、

丁寧に、残酷なリアルさで描く背徳ドラマ。

・満たされない“何か”を抱えた妻

・優しさゆえにすれ違っていく夫

・軽薄に見えて、本能に忠実な青年

三者の心の動きが交錯することで生まれる

「嘘」と「欲望」と「現実」の物語。

大人向けドラマとしての完成度が高い一作です。