女スパイ辱3【藤鉄はるよ】

数々の企業不正を暴いてきた女スパイ・高坂レイラ。
冷静沈着で隙のない彼女でしたが、悪徳社長・豚木の用意した罠により、ついに拘束されてしまいます。

捕らえられたレイラは、逃げ場のない空間で、
精神と感覚をじわじわと追い詰める“特殊な拷問”を受けることに――。
必死に平静を保ち、快感にも似た錯覚を理性でどうにか抑え込もうとするレイラ。
しかし、その状態のまま始まる尋問は、肉体だけでなく心の奥までを揺さぶってきます。

悪党の問いに口を割るまいと必死に耐え抜くレイラでしたが、
過酷な状況が続く中で、ついに限界が見え始めてしまいます。
それでも彼女は、わずかな隙を探しながら、
体力の回復と反撃のチャンスをうかがい続けます。

しかし、敵の手段はさらに陰湿さを増し、
追い詰められていくのは身体だけでなく、精神そのもの――。
スパイとしての誇りと、生き延びるための本能の間で揺れ動く
レイラの心理描写が、本作最大の見どころです。

本編はボリュームたっぷりの104ページ構成。
さらに設定画や表紙素材などのおまけ要素も収録されており、
世界観やキャラクターをより深く味わえる内容になっています。

また巻末には、異色の同時収録エピソードも収録。
本編とはテイストの違うダークファンタジー寄りの展開が追加されており、
読後にもう一段違ったインパクトを残します。

スパイもの×極限状態×心理サスペンス――
追い詰められた強い女性が、それでも折れずに抗い続ける物語が好きな人には、
特に印象に残る一作です。