ギャルラブ【藤鉄はるよ】

ギャル系イラストレーターの鴨川セリナは、
ずっと想いを寄せていた“ひろ先輩”と、ついに本屋デートへ出かけることに。
何気ない買い物の時間さえも特別に感じられる、初々しい空気から物語は始まります。

デートの帰り道、名残惜しさからセリナは先輩を自宅へ誘い、
「イラストの参考資料」という名目で、二人きりの“秘密の撮影会”がスタート。
奔放で距離感の近いセリナの振る舞いに、
終始ペースを乱されっぱなしのひろ先輩の反応が、どこか微笑ましく描かれます。

撮影が終わり、ようやく帰ろうとするその瞬間――
ふと訪れる沈黙と、妙に高鳴る鼓動。
それまで抑えていた想いが、静かな空気の中で一気にあふれ出していきます。

視線が絡み合い、言葉が途切れ、
二人の距離がゆっくりと、しかし確実に縮まっていく展開は、
まさに“両想いが通じ合う瞬間”のドキドキが詰まった名シーン。

お互いの気持ちを確かめ合いながら、
少しずつ深まっていく関係性を、甘く丁寧に描いているのが本作の魅力です。
刺激よりも照れ・緊張・恋の高揚感を大切にした構成で、
純愛ストーリーが好きな人ほど、余韻を強く感じられる作品となっています。

本編は83ページのボリューム構成。
さらに設定画などのおまけ要素に加え、
巻末には雰囲気の異なる同時収録エピソードも楽しめる仕様です。

ギャル×先輩×純愛という王道ながらも安心感のある組み合わせで、
「えっちよりも恋愛重視」「甘くてときめく展開が好き」
という人には、特におすすめできる一作です。