最低最悪の尊厳破壊…恋人の仇に何度も何度も‥。
大手メディア所属の記者「藤代澄佳（ふじしろすみか）」は、
同僚でありフィアンセだった悠真を突然の‘事故死’で失うー。不自然すぎる恋人の事故死‥、彼が追っていた大企業の不正を調べるうちに、澄佳はそれが仕組まれたものだと確信する。
――恋人の仇を討つため、たった一人で巨悪に挑んだ澄佳。
だが目的まであと一歩のところで敵の手に堕ちてしまう‥。腐敗した大企業幹部と暴力団―！憎むべき仇のクズ共に弄ばれる澄佳…。
廃工場に響く嬌声、あらゆる手段で開発されていく肉体。望まない絶頂で、尊厳を踏みにじられる彼女の運命は―？
作品レビュー
冒頭から突きつけられるのは、救いのない現実。
大手メディアに所属する記者・藤代澄佳は、
同僚であり婚約者でもあった悠真を“不自然な事故死”で失う。
哀しみと疑念が交錯する中、彼が追っていた大企業の不正に辿り着いた時点で、
本作の方向性ははっきりと定まります――これは、勝てない戦いに挑む物語だと。
澄佳は一人で巨悪に立ち向かう。
正義感ではなく、復讐心でもなく、
「真実を明らかにする」という記者としての矜持に突き動かされて。
しかし、あと一歩というところで彼女は捕らえられ、
物語は一気に暗転します。
以降は、
・権力と暴力が結託した側の理不尽
・“見せしめ”として消費される存在
・抵抗が通じない状況での精神的破壊
が、徹底して描かれていく展開。
派手な演出よりも、尊厳が削られていく過程に重きを置いた構成が印象的です。
本作の評価点は、
澄佳が「最初から無力な被害者」として描かれていないところ。
知性と意志を持った人物が、
それでも抗えずに堕とされていく――
その落差が、読後に重たい余韻を残します。
望まない絶頂というテーマも、
単なるショック要素ではなく、
「意思と身体が乖離していく恐怖」を象徴する装置として使われており、
非常に陰鬱で、しかし作品世界として一貫しています。
本作は、
・復讐が叶わない物語
・尊厳破壊そのものを描くダーク系
・救済や逆転を期待しない読者向け
のR18作品。
明確に好みは分かれますが、
“重さ”を求める人には強烈に刺さる一本です。
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