「愛し合ってない2人がこういうことをするのに、どういう意味があると思う?」
航(わたる)は初めて身体を重ねた先輩、凪沙(なぎさ)の夢を見る。
カメラの仕事で生計を立てる彼はEDを抱えつつも、写真家の夢を追いながら
彼女、みなととの生活に幸せを感じていた。ある日、結婚し上京したと聞いていた先輩と再会する。
凪沙の穏やかな笑顔の奥には「触れられない何か」があるようだった。航が押し殺している苦しみに気付いた凪沙は彼にやさしく──
彼女を想う気持ちごと、先輩のぬくもりが心をほどいていく。
そして彼は、彼女のもとへ還る。ふたりの女性の間で愛をさがす物語





作品レビュー
本作は、まず冒頭の一文が強く刺さる。
「愛し合っていない二人が身体を重ねることに、どんな意味があるのか」
この問いが、そのまま作品全体のテーマになっている。
主人公・航は、写真家として生きることを選び、
現在は恋人・みなととの穏やかな生活を送っている。
しかしその裏で、彼は“触れられない”苦しみを抱えており、
それを言葉にできないまま日々を過ごしている。
そんな彼の前に現れるのが、
かつて初めて身体を重ねた先輩・凪沙。
結婚し、上京したと聞いていた彼女は、
穏やかな笑顔の奥に、同じように“何かを抱えた影”を宿している。
本作が印象的なのは、
誰かを奪う話でも、裏切る話でもない点。
凪沙は航の苦しみに気づき、
それを責めることも、求めることもなく、
ただ寄り添うように接していく。
身体の関係は、
欲望の発散ではなく、
心をほどくための“通過点”として描かれており、
EDというテーマもセンセーショナルに扱われない。
むしろ、
「触れられないこと」よりも
「誰にも理解されないと思い込んでいること」の方が、
深い痛みとして描かれている。
そして物語は、
凪沙に留まることなく、
航が“自分の居場所”へ戻る選択を描く。
この帰結があるからこそ、
本作は単なる背徳や再会エロでは終わらない。
総評として、
・感情が先にあり、行為が後からついてくる
・救済は外から与えられるものではない
・性愛が「癒し」や「確認」の手段として描かれる
という点で、かなり大人向けのR18作品。
強い刺激や即効性を求める人には向かないが、
静かで、切なくて、読み終わったあとに考えさせられる作品を求める人には、
深く残る一作。
“誰と身体を重ねるか”ではなく、
“どこに帰るのか”を描いた物語として、評価したい。
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